「転職準備に充てられる時間が限られているから、厳選して応募したい」
「内定をもらったけど、将来のことを考えて入職するか吟味したい」
そんな方に向けて大学選びのポイントを徹底解説します!
私自身、早慶上MARCHで3校内定をもらい、どの大学に入職するかはかなり迷いました。
その際の経験はもちろん、入職してから分かった知識も含めて公開しますので、ぜひ参考にしてください。
給料・待遇
大学職員は、大手私立大学でれば40歳くらいの平社員でも年収1000万円を超えてくるため、高給・好待遇に魅力を感じて目指している方も多いでしょう。
しかし、大学職員の年収は様々なサイトで掲載されていますが、かなりデタラメなものや、実態よりも大幅に盛られているものが多いため、そのような情報に踊らされないようにしたいものです。
私が勤務する早慶上MARCH某大学も、全然違う年収で紹介されていることが多く、驚きます。
そこで、内定サポートした方や口コミなど、実際の職員からの情報をもとに、信頼性を重視した年収ランキングを作成しました。
大学選びにぜひ活用してください!

財務状況
少子化によって大学業界は斜陽産業になり、淘汰される大学が出てきました。
高待遇が魅力で転職したのに、将来経営が傾いて減給やリストラ…なんてことになったらたまりません。
将来の経営の雲行きを見定める、大きな材料の一つが財務状況です。
しかし、財務の指標はいくつもあり、専門的に分析するのは難しいでしょう。
そこで、われわれ素人でも分析することができる方法を厳選して解説します。
なお、こちらは米国公認会計士(USCPA)も取得している、いわば財務スペシャリストの大学職員の知人から聞いた方法なので、一定の信頼性があるものです。
まずは、調べたい大学の決算書を開きましょう。「●●大学 決算」と検索すれば出てきます。
そして、以下の3つを調べていきます。
経常収支
学校法人の経常収支は、主に教育活動を中心とした収入と支出の差額です。
学校法人は日々の教育活動等以外にも、突発的に土地や設備の寄付収入などがあったりします。
そのようなイレギュラーな収支を除いて、「いつもやっている本来の事業がちゃんと上手くいっているか」を測るのが経常収支ということになります。
この経常収支が直近5年間黒字で推移しているか、をまずは確認しましょう。

(出典:立教大学2023年度決算)
たとえば立教大学の2023年度決算を見ると、以下の通り経常収支は「21.9億円の黒字」ということが分かります。
同様にして過去5年分さかのぼって調べていくのです。
ただしこの方法は、将来安泰かどうかよりも、将来危ない大学をはかる意味合いが強いと理解しておいてください。
理由は、直近の収支だけでは、10年後や20年後も財務状況が安定しているかどうかまでは言い切れないためです。
しかし、直近5年で日々の事業活動が赤字のような大学は、将来の経営状況もリスクがあると思われます。
寄付金収入
寄付金収入が重要な理由は、「寄付金を多く集められる」=「社会的なブランドとロイヤリティがある」と言えるためです。
少子化で授業料が減ってくる今後は、学生からだけではなく社会全体から選ばれ応援される大学であるかが重要です。
その表れが寄付金というわけです。

(出典:立教大学2023年度決算)
先ほどの立教大学の2023年度決算資料でも、収入項目の一つに寄付金が書かれています。
この金額が大きいほど当然良く、できれば年々増えているとベストです。
繰越収支差額
こちらは志望する大学だけの数字を見てもあまり意味がなく、似たような他の大学と比べて参考にします。
財務規模は大学ごとに異なるので、金額の数字よりも、貸借対照表の「資産の部」全体に対する割合で見るようにしましょう。

翌年に繰り越せるお金が多く出ているということは、経営に余裕がある証拠です。
ただ、学校法人は利益をどんどん出していくことがゴールの組織ではないため、繰越収支差額がマイナスの年があるからといって、「経営が危うい」ということにはなりませんし、「投資をしていない」という見方もできます。
そのため、あくまでも参考として把握しておくものと考えてよいでしょう。
早稲田大学も2023年度決算を見ると、資産の部合計に対する繰越収支差額は-17%(繰越収支差額-74,062円÷資産の部合計412,429円×100(%))です。

勤務体系
大学職員の勤務体系は、大きく分けると2パターンあります。
- 土曜勤務(隔週が多い)があるが、長期休暇が長い
- 平日のみの勤務で、長期休暇が短い
前者は「休む時はガッツリ休む」というメリハリ型で、夏休みは平日20日間くらい休みを取れたりします。
後者は一般企業とあまり変わらない勤務体系です。
両者とも年間合計の休日数で見るとあまり変わらないため、正解はなく完全に好みの問題ですが、ライフスタイルに大きく影響するためよく吟味しましょう。
ちなみに、夏休みが多くても、家族や友達はふつうに仕事だったりするため、一人で過ごす時間がけっこう多くなります。一人時間をエンジョイできる方にはオススメです。
募集要項に記載されている大学もありますが、内定後のオファー面談でより詳しく聞くことができます。
また、休み事情ほど大きなポイントではないものの、毎日の勤務時間帯も大学によって異なります。
早慶上MARCHの場合は、平日は9時~17時が定時になっているところが多いです。
忙しさ
大学職員はホワイトと言われます。実際に一般企業から転職した私も、残業時間が100時間⇒10時間くらいに減少しましたし、業務量も圧倒的に少ないと感じます。
それでも、大学によって忙しさに差があります。
口コミサイトなどで調べるのが一つの方法です。私は、OpenWorkに登録して調べていました。
もちろん部署によってもバラつきがあるので、数件の口コミだけでは判断できませんが、労働時間に対する姿勢や文化なども含めて知ることができるでしょう。
ちなみに、私立大学と国公立大学でも差があると言われます。
国公立大学は予算がより厳しく、贅沢に人を雇うのは難しいことから、私立大学よりも一人当たりの業務量が増えることは十分考えられます。
まとめ
大学選びにおいて重視することは人によって異なりますが、よくご相談いただくポイントを中心に解説してきました。
私自身も早慶上MARCHで3校内定した中から入職先を選ぶ際は、かなり迷いました。
その時の流れは以下の記事でぜひお読みください。