大学職員の志望動機には絶対NGな落とし穴がいくつかあります。
これまでマンツーマンのサポートや、面接官として何十人という方の志望動機を見てきましたが、体感としては9割くらいの方が落とし穴にハマってしまっています。
落とし穴を知っておくだけでも避けることができますし、対策方法も併せて解説していきます。
なお、志望動機の効果的な書き方やネタ探し方法については、以下の別記事をご覧ください。
大学職員の志望動機【書き方編】 | 書類選考100%通過したノウハウ
大学職員の志望動機【ネタ探し方編】 | 早慶上MARCH3校内定!
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褒めるor共感するだけ
「貴学の取り組みは素晴らしくて、共感しています」と言われても、面接官があなたを採用する材料にはなりません。
理由は以下の通りです。順番に解説します。
誰でも書ける内容
たとえば以下の志望動機例を見てください。
貴学を志望する理由は、地方創生に地域連携を通じて貢献することができると考えたからです。「地域連携」は文科省の「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」にも掲げられており、国の最重要課題の一つである「地方創生」に不可欠です。特に〇〇の施策は、建学精神を体現した貴学ならではの取り組みであり、国内大学では最先端の画期的な実例です。そこにぜひ自身も携わりながら日本の地方創生をリードしていきたいと考えています。
一見それっぽく書かれていますが、文科省指針と大学の取り組みを列挙しているだけで、情報収集すれば誰でも書けてしまう内容です。
つまり、「あなた」を採用する理由にはならないのです。
志望先大学を褒めて共感するだけの志望動機は、このように情報の羅列で終わってしまっているケースが多いです。
共感する根拠として、自分の経験を書くことで、「あなた」しか言えない事になり、説得力も一気に高まります。
貢献度が伝わらない
志望動機で見られているのは、「貢献度」と「マッチング」です。言い換えると、「この人はうちの大学の方向性と合っていて将来貢献してくれそうだ」と思われなければ、採用されないということです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
大学職員の志望動機【書き方編】 | 書類選考100%通過したノウハウ
志望大学先を褒めたり共感するだけの志望動機は、「マッチング」は伝わるかもしれませんが、「貢献度」(入職後にどれだけ貢献してくれそうか)が伝わりません。
先ほどの例でも「貢献することができる」とは書かれていますが、どう貢献できるか具体的に何も書かれていません。
学生支援がしたい
学生支援を志すのは良いことだと思いますが、「学生支援がしたい」という内容だけの志望動機は注意が必要です。
直接的な学生支援の業務は多くない。
大学職員は様々な部署がありますが、直接的な学生支援の業務を行っている部署は、実はそこまで多くないのです。
たとえば就職支援課は、常に学生の進路相談に対応しているわけではなく、就職イベント企画やキャリアカウンセラー管理など裏方の仕事がほとんどなのです。
そのため、学生支援だけを全面に押し出している志望動機だと、活躍の幅が狭そうだと思われたり、大学職員の仕事を理解していないと思われてしまう可能性があるのです。
教職協働を勘違い
近年、「教職協働」はどの大学も積極的に取り組もうとしている重要な概念です。
しかし、教員との関わり方の理解が誤った状態で志望動機に書くと、逆効果になります。
たとえば、以下のような志望動機は「理解不足」と評価されかねません。
…次世代の人材を育てる新たな教育プログラムやカリキュラムの企画立案を、教員と連携しながら教職協働で取り組んでいきたいと思います。
実際の大学現場では、教育プログラムやカリキュラムの企画立案をするのは教員がメインで、職員が関わるウェイトはかなり小さいためです。
新たな教育プログラムの企画立案や、新学科設立の提案等を、職員が行うことはほぼない。
職員の役割は、時間割の調整や、教室の確保など、実行に落とし込む事務業務の部分がメインです。
この点も、対策としては大学職員のそれぞれの仕事を正しく知ることです。
大学職員転職ノウハウまとめ資料でも各部署の業務を解説していますし、ビデオチャットによるマンツーマンサポートでも詳しくお伝えしていますので、よかったらチェックしてみてください。
貢献シーンが浅くて抽象的
貢献シーンが浅くて抽象的だと、面接官は「どんな風に貢献してくれるか」イメージが湧きません。
また、抽象的な内容は誰でも書けてしまうため、ライバルと差別化できません。
たとえば、「IT化推進」をテーマにしたNGな志望動機を見てみましょう。
…学内のIT化を、各部署や教員を巻き込みながら推進してまいります。
「IT化推進」と一口に言っても、様々な段階や業務シーンがあります。
- 中長期戦略の立案
- 業務フロー可視化や課題策定
- 改善のための要件取りまとめ
- 業者選定やコスト調整
- 構築プロジェクトマネジメント
- 運用立ち上げと普及施策
どんなシーンでどんな動き方をして貢献できるのか、とことん深掘りして具体化することで、面接官に刺さる志望動機になるのです。
以下の記事でも解説している通りですが、志望動機を書いたら知人に見せて客観的なフィードバックをもらうことをオススメします。
筆者が行っているマンツーマンのサポートでも、具体的で説得力のある志望動機を一緒に作り上げるお手伝いをしています。

小難しいことがごちゃごちゃ書いてあるものもNGです。面接官は、自分が理解できるまで何度も質問してくれるほど優しくありません。具体的で分かりやすいものが一番!
「人」や「雰囲気」の魅力全面推し
以下のように、「人」や「雰囲気」の魅力を志望動機に使うことを否定はしませんが、これらを一番推しにするのはオススメしません。
- オープンキャンパスを見学したら、職員が受験生に丁寧に説明していた。
- 学園祭や学生食堂に足を運んだら、職員が丁寧な業務をしていた。
- 職員or学生に直接話を聞いたら、建学精神がしっかりと根付いていた。
理由については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
Q&A
- 面接前にこの記事を読みました。ESで書いていたものと違う志望動機を面接で答えても大丈夫ですか?
- 基本的には問題ありません。
ESを事前にしっかり読み込んで記憶している面接官は少ないです。
ESの志望動機と違うことが分かっても、より納得感のある良いものであれば、それを元に審査してくれます。