大学職員は本当にぬるま湯?メリット・デメリット7選!

大学職員は辞めとけ?デメリット7選

ルーティーン業務多めで非・成果主義

一般企業と比較して大学職員はルーティーン業務が圧倒的に多いです。

入職当時は「これはアルバイトかな?」と思うレベルで、単純な事務処理が多かったのを覚えています。

また、成果主義を採用している大学はまだまだ少ないです。一応の人事評価はありますが、ボーナス額には全く影響しないという大学がほとんどです。

昇進試験の材料にはなりますが、昇進もほとんど年功序列なため、早く昇進したい人以外にとっては、人事評価もあまり意味がないというのが実態です。

成果が給与に反映される大学も少数ながら一応あるため、成果主義が好きな方は以下のあたりを目指すのも良いでしょう。

成果主義を導入している大学例
  • 芝浦工業大学
  • 慶応義塾大学

成長が少ない

一般企業と比べて、ビジネスマンとしての成長は遅くなる可能性が高いです。

スキルが付く仕事が少ない、試練になるような難しい仕事が少ない、という理由もありますが、「部下や後輩を指導して鍛える」という文化が圧倒的に少ないように思います。

自分のアウトプットに対するフィードバックが少ないのです。良くも悪くも、注意されることもほとんどありません

そのため、自分で気付いて改善していける人は良いですが、自身の改善点に気付けない人は、同年代と比べて成長が遅くなるかもしれません。

大きな改善はしづらい

改革を標ぼうしている大学は多いですが、内情は前例踏襲なところがほとんどです。

大胆な改革を提案しても、やんわりと却下されてしまうケースが多いのです。

一人はやる気があっても、他職員は大きな改善にエネルギーを割きたくなかったり、管理職および上層部がリスク回避思考であることが多いのが大半の原因のようです。

成果主意義で大きな見返りがない以上、そうなってしまうのは構造上しかたないのかもしれません。

転職がしづらくなる

一度大学職員になると、他業界への転職は難しくなります。

主な理由は以下の通りです。

  • ルーティーン業務がほとんどで、大きな経験が積めない。(アピールが難しい)
  • 成長が遅い
  • 大学職員特有の仕事が多く、他業界で活用しづらい。(教務、入試など)

教務や入試など、大学職員の主要な部署は、この業界特有の仕事であるため、一般企業でのスキル活用はほぼできません。

財務やシステムなど専門的なスキルが身に付く部署も一部ありますが、それでも一般企業で活躍できるレベルになるのは難しいだろうと、両方働いたことがある身としては感じます。

斜陽産業であるリスク

少子高齢化によって、大学業界は斜陽産業であると言えます。

近年、名前が知られている大学・短大でも募集停止が発表されています。

  • 恵泉女学園大学(2023年募集停止)
  • ルーテル学院大学(2024年募集停止)
  • 甲子園短期大学(2026年度以降) など

ただし、18歳人口は減少しているものの、大学進学率は向上(文科省資料)していますから、少子化のペースがそのまま学生数減少に影響することは当面なさそうです。

そして、財務体質や経営状態をしっかりと見たうえで入職先を選べば、少なくとも我々の在職している間は、倒産によって仕事がなくなることは回避できると考えています。

入職先の選び方については、別記事で詳しく解説していきます!

人間関係に癖がある

医大や国立大学を除けば、多くの私立大学の職員数は中小企業の規模です。そうなると良くも悪くも「村社会」なります。

職員内サークルも盛んな大学が多く、アットホームで根回しや柔軟性が効きやすいというメリットはあります。

一方、関係悪化を恐れて然るべき主張がしづらくなったり、変に距離が近くなったために面倒な頼まれごとをされる、というデメリットもあります。

職員間だけではなく、教員との人間関係も注意です。大学教員の中には、癖の強い人がそこそこの割合でいます

教務系・研究支援系の部署で、そのような教員の担当についてしまった場合はしばらく苦労する可能性があります。

また、人間関係だけでなく自分の視野も狭くなりがちです。経済動向が自身の仕事に直結することが少ない、狭い世界で仕事をしているため、意識しないとついアンテナが低くなってしまいます

テレワークやフレックス制は難しい

職員の勤務にテレワークやフレックス制が導入されている大学はほとんどありません。

それは、お客さんである学生がキャンパスに来て、しかも授業時間も決まっている、というビジネスの構造上しかたないため、今後もこれらの働き方改革は期待できないでしょう。

学生支援系以外の部署はテレワークやフレックス制で働くこともできそうですが、学生支援系部署との連携のしやすさや、配属による不公平が出ないように、全部署で導入していない大学が多いです。

大学の営業形態上、今後もテレワークやフレックス制の普及は難しいでしょう。

大学職員になるメリット7選

年功序列で高給

都内の大手私立大学は、40代になってくると管理職でなくても年収1,000万円に到達するところが多いです

しかも成果主義ではなく年功序列の大学がほとんどなため、のんびり働いていても自然と昇給するため、非常に魅力です。

各大学の給料は別記事で詳しく解説していきます!

また、給与以外でのお得ポイントも多いです。

多くの私立大学が加盟している日本私立学校振興・共済事業団で、提携ホテルやレジャー施設の割引、低利率での融資、見舞金や傷病手金、等々を受けられます。

これらは一般企業でもよく見ますが、加えて大学独自の良さとして特にありがたかったのは、以下のあたりです。

大学職員ならではのお得ポイント
  • 提携病院で安く治療や入院が受けられる
  • 学食が安く、昼食代はサラリーマン時代の半分
  • 学生が使うジムを年間数千円で使える

残業が少ない

私の場合、残業時間は月平均10~20時間で、ほとんどの日は定時退社できます。残業ゼロの月もあります

そのため、プライベートに使える時間は各段に増えます。

逆に言うと、そんなに残業するほど仕事がないため、残業代で大きく稼ぎたい場合は難しいです。

休みが多い

大学職員の休み事情は、以下の通りかなり良いです。

ミッション系大学はクリスマスが休みになることが多いため、冬休みが長い傾向にあります。

なお、夏休みが長いのは、その分土曜勤務(隔週・午前中)がある大学が多いためです。そのため年間休日日数は、ホワイトと言われる大手民間企業とそこまで変わりません。

ただ、有給休暇の取得しやすさ等を考えると、やはり一般企業よりも圧倒的に良いです。

大学職員の休み事情※
  • 有給休暇は基本的に毎年20日分フル消化
  • 夏休みは1カ月分ある(土日+平日合計)
  • 冬休みも10日以上ある

仕事が楽でストレスが少ない

仕事の量・難易度・ストレスが圧倒的に低く、思っていた以上に「ぬるま湯」でした。

もちろん部署による差はあれど、一般企業と比べて全体として見れば、間違いなく仕事は楽でしょう。

私が転職サポートした方々も転職同期も、「もう一般企業には絶対戻れない」と口をそろえて言います

客商売ではない

ストレスが少ない要因の一つとして、客商売ではない点が挙げられます。

営業やカスタマーサービス等の職種経験者は分かると思いますが、顧客の要望に振り回されたり、アウトプットへの責任感や緊張感が大きいことがデフォルト状態でしょう。

大学にも学生というお客さんがいますが、プレッシャーが全く違います基本的に運営方針は大学が決めたものに従ってもらいますし、厳しい納期や調整を個別に求められるようなことはないためです。

全国転勤がほぼない

全国にキャンパスや拠点がある学校法人を除けば、大学職員は基本的に転居を伴う転勤がありません

そのため、家族への負担が少なかったり、家を買う決断がしやすいというメリットは大きいでしょう。

育休産休が取りやすい

大学職員は育休産休を取得しやすいです。

風土的な側面もありますが、マニュアルに基づくルーティーン業務が多いため、長期で休んでも誰かが代わりにできるという業務性質上の理由もあります。

保育園が見つからない理由で女性が育休を数年延長しているのはザラで、男性も1年くらい育休を取ってから普通に復帰するシーンが全然あります。

大学職員に向いている人とは?

ここまでの内容を踏まえつつ、環境面や性格面で見た、大学職員に向いている人の特徴は以下の通りです。

スキル面で向いている人は、選考対策の記事で詳しく解説します。

環境面・性格面で大学に向いている人
  • 比較的少人数の組織でのコミュニケーション・立ち回りが苦にならない人
  • ルーティーン業務や長時間のデスクワークが苦にならない人
  • 変化や刺激が少ない環境で、長期安定的な仕事をしたい人
  • 教育や研究の支援にやりがいを覚える人

大学職員に向かない人とは?

成果主義でバリバリ仕事をしたい人

大学は成果主義ではないところがほとんどで、大きな変革をスピード感持って進めることも難しい文化です。

そのため、競争もある刺激的な環境の中でバリバリ仕事をしたいという人は、おそらく歯がゆさを感じてしまうことでしょう。

「成し遂げたいこと」やキャリアパスにこだわりがある人

大学職員になって絶対に成し遂げたいことがある人や、キャリアパスにこだわりがある人も要注意です。

大学はジョブローテーションがあるため、希望部署にいけるチャンスもあります。

ただ、同じ部署に何年もいて、大きな事業を成し遂げたり、専門性を極めていく、ということは難しい可能性が高いです

また、前例踏襲文化のため、大きな変革は却下されがちであることも、前述の通りです。

面接の中で、改善案を言うのは問題ありません(むしろ重要)。ただし、こだわりすぎには注意です。

結局、大学職員はおすすめ?(中の人の本音)

メリット、デメリットそれぞれ見たうえで、実際に転職した私の感想をお伝えします。

結論として、大学職員という仕事は間違いなくおすすめです

理由は率直に、「残業や休み等の労働環境の良さ、楽でストレスの少ない仕事、それで年収1000万円とかもらっていいの?」という点です。

もちろん人によって感じ方は違いますし、大学によっても待遇に差がありますので、今回の内容や他記事も参考にして、ぜひ検討してみてください。

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