燃え尽きアラサー社畜が、なぜ大学職員に転職したのか?
メンタル寸前でブラック企業脱出を決意
私はもともと、新卒で大手日系SIerに入社し、営業として6年間勤務していました。
働きやすいと言われる会社ではありましたが、実際にはなかなかのブラック体質でした。
朝7時~夜10時半まで働き、サービス残業だけで毎月30時間は超え。土日も仕事のことを考えないと回らない日々。
毎日詰められまくる緊張感、上司のパワハラ、途方に暮れるほど壮大な山積みのタスク。
「美味しい職業」で大学職員がヒット
私は次第に疲弊していき、ついにメンタル寸前になって、「逃げ出さなければ」と決心します。
「次はストレスが少なくて割の良い仕事がいい…」そう考えて、半分冗談で「美味しい職業」とググります。
すると、大学職員の仕事がヒットしました。調べていくと、「仕事が楽なのに、年収1,000万円を超える」などなど美味しそうな口コミが多く出てきました。
「これは令和最後のオアシスだ!」と思い、目指すことを決意しました。
正直、「日本の高等教育を改革したい」とか「学生の成長を支えたい」という思いは全くありませんでした…。
まず何をした?
求人探し
とりあえずマイナビやマイナビ等の転職サイトに登録しましたが、途中からエージェントの重要性にも気付きました。
エージェントは求人件数こそ少ないものの、転職サイトにはないメリットがあるので、ぜひ登録して面談を受けることをオススメします。
- 非公開求人の紹介
- 自分に合った求人を紹介してくれる
- 強み分析サービス
- ES添削
大学職員の募集は頻度や件数が少ないため、見逃しは絶対に避けたいところ。
そのため、求人を漏れなく素早くキャッチできる環境作りはマストだと感じました。
自己PRと志望動機の準備
求人を待ちつつ、これらの準備を始めました。自己PRと志望動機は求人が出ていなくても作り始められます。
自己PRの要素は、「どんな経験・スキルがあるか」×「どんな貢献ができるか」、大きく言えばこの2つでしょう。
自己PR = どんな経験&スキルがあるか × どんな貢献ができるか
「どんな貢献ができるか」については、各大学の取り組みに合わせて書く必要がありますが、経験やスキルは自分のことですから、整理を進められます。
志望動機も実は、「〇〇で貢献できるので志望しています」というアピールが、中途採用では特に重要です。
細かい記載は大学毎の取り組みに合わせる必要がありますが、大きな分野で見ると、どの大学も注力している方向性は似通っています。
どんな分野で貢献できそうか考えておくだけでも、志望動機作成が後でかなり楽になります。
- 国際化
- 地域連携推進
- 産官学連携強化
- DX推進
- 就職支援強化 等々…
中途採用では即戦力が求められるため、「〇〇で貢献できるため志望しています」という志望動機が有効です。
業界研究
業界のトレンドやキーワードを、文科省の資料や教育関連サイトで勉強し、自分の考えを言えるように準備をしていきました。
当時の私は自力で調べていましたが、このブログやTwitterでも解説していきますので、ぜひチェックしてください。
また、余裕があれば、一次情報である文科省の政策資料や調査データを見てみましょう。
ただ、教育業界の時事ネタについては、早慶上MARCHの選考では、筆記試験の小論文で問われることはある(特に早稲田大学)ものの、面接で問われることはほとんどありませんでした。
そのため、対策の優先順位としては、そこまで高くなくても良いでしょう。
ウェブテストの勉強
こちらも求人を待ちつつ準備できることの一つです。
結論から言えば、玉手箱(C-GAB)の問題集を一通り解けるように対策しておきましょう。
「ウェブテストは勉強しなくても(全然できなくても)良い」と書いているブログ等もありますが、せっかく自己PR等を準備してもウェブテストで落とされたら非常にもったいないので、足切りされない程度に勉強しておくべきだと思います。
大学職員選考のウェブテストは、ほとんど玉手箱(C-GAB)が使われています。
TOEICの勉強
TOEICスコアも選考でプラスに働く可能性が高いため、できれば勉強しておきたいところです。
たまたま国際能力人材を求めていない募集や大学だった場合は重視されないかもしれませんが、近年は国際化推進に注力する大学がほとんどであるため、間違いなくスコアが高い方が良いでしょう。
ただし、「スコアが無い(低い)」という理由だけで足切りされることはなく、あくまで加点要素と考えて、余裕がある範囲で勉強しましょう。
私は専門家ではありませんが、TOEICは問題とスピードに慣れることが攻略のコツだと考えています。
実際、本番と同形式の問題集を何度も解くことで、690点だったスコアを最終的に880点に上げることができました。
私の転職同期も全員TOEICスコアは高かったです。
早慶上MARCHを狙った理由は?
大学そのものの価値
私は首都圏の私立大学、特に早慶上MARCHをメインに狙って受けていました。
理由は、斜陽産業であっても長期的に安定した経営を継続できるだけの価値があると考えたためです。その価値とは「ブランド」です。
それぞれの大学の価値を決める指標とは何だと思いますか?(面接で問われるかもしれません)
例えば、一つには研究力があるでしょう。ただ、もし10年後に優秀な研究者達がいなくなってしまっていたら、同じレベルの研究成果を出し続けることは難しくなります。
しかし、各大学の「ブランド」は何十年にもわたって築き上げられてきたもので、今後も10年や20年で変わるものではありません。
そして、受験生が志望先を決めるとき、「企業ウケが良さそう」「頭良さそう」「かっこいい」等のブランドイメージはかなり重要なものでしょう。
つまり、収入源の大半を支えている学生に選ばれるブランドを持っていれば、長期的にも経営が傾くことはない、と考えたのです。
勤めている間にリストラや年収削減になったら、困りますからね…。
大学の選び方については、別記事で詳しく解説していきますのでお楽しみに!
斜陽産業だからこそ、将来的に安定した経営が続きそうかどうか、よく見極めましょう。
給与も重視
給与額や待遇もやはり重視しました。日本の私立大学は2024年度時点で592校あります(参照:旺文社)が、早慶上MARCHの平均年収はやはり上位層です。
各大学の年収や待遇については、別記事で詳しく解説していきますので、お楽しみに!
偏差値と、職員の平均年収は必ずしも比例しません。
苦労したことは?
経験と強みの選定
これが何よりも苦労しました。
思い浮かばないというよりも、「どの強み・エピソードを推すのがベストか?」「ライバル達よりも強いか?」が判断できずに悩みました。
効果的な書き方については別記事で詳しく解説しますが、上記の悩みについて最終的にたどり着いた答えは、
他者のESを読んでセンスを身に着ける、です。
内定者の上質なESも、ネットに転がっている誰かのES例も、できれば数多く読みましょう。
すると、「どんなESが採用したくなるか」客観的な目が養われてきます。
手前味噌ですが、私は書類選考は100%通過しているため、ESの内容にはある程度自信があります。
ココナラで出品しているため、ぜひ覗いてみてください。
大学職員の仕事がわからない
業界ニュース等は、前述のように文科省資料やまとめサイトで調べましたが、大学職員の仕事については分かりませんでした。
具体的な仕事や重視されるポイントが分からないと、「私のスキルは〇〇のシーンで役立ちます」と説得力のあるアピールはできません。
当時は、「国際部は海外協定校の新規開拓をするのだろう」とか「システム部は教員のBYOD推進等により研究環境の整備も担うのだろう」のように推測でESを書いていました。
上記2つはどちらもかなりズレています。似たようなことを書こうと思っていた方はご注意ください。
現役職員になって振り返ると、かなりズレたことも言っており、「よく通ったな」ヒヤヒヤします。
当時の私のように、ズレたことを書いている志望者も多くいることを考えると、的を射た内容を書ければ、それだけ他志望者と差が付きます。
今後、大学職員の仕事についても詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
ココナラでもマンツーマンのサポートを行っていますので、的を射た刺さる内容になるよう一緒に作り上げていくこともできます。
なぜ成功できたのか?
募集情報を漏れなく素早くキャッチ(最低限)
前述の通り、数少ない大学職員募集求人を逃さないことは最低限必須です。
かつ、募集が出たらスタートダッシュで準備を開始して、ライバル達より質の高い準備ができたことも大きかったと思います。
私は突発的に残業が発生することもあったので、応募書類提出の締め切り間際に募集情報をキャッチしたら、間に合わないという事態もあり得たと思います。
早めにキャッチできたからこそ、隙間時間をコツコツ利用して、大学の事を調べたり、選考対策ができました。
転職サイトとエージェント(求人が出ると電話をくれることもある)の主要どころは登録して、まめにチェックすることをおすすめします。
自己PRと志望動機が他人より強いか?
当たり前すぎることですが、選考で最も重視される自己PRと志望動機を磨き切ったことが大きかったと思います。
ただ、自身の転職活動や、何人もの内定をサポートしてきて感じるのは、やみくもに頑張って書いても、実は面接官には刺さらない独りよがりな内容になっていることが多々あるということです。
前述の通り、他者のESを見ながらセンスを磨くことで、押さえるべき観点を守りつつ、客観的な視点でさらにブラッシュアップすることが重要です。
私も友人にESを見てもらったり、模擬面接をしてもらうことで、「これは刺さらないんだ」とか「これは伝わらないんだ」と気付かされたことが多々あります。
私も含め内定者に意見をもらうのがベストですが、周りの知人の方に一度は見てもらうことをお勧めします。
どのような観点を意識して書いていくべきか等、具体的な対策方法については別記事で解説していく予定です!
入職先を選んだ決め手は?
長期的価値と年収のバランス
最終的に早慶上MARCHで合計3校内定をもらいましたが、入職先の決めてとして一番大きかったのは、年収とブランド力のバランスでした。
大学自体のブランドを重視したのは、前述の通り、長期的な経営の安定性を期待してのことです。
ここで注意なのは、ブランド力とほぼイコールの偏差値と、給与の高さは、必ずしも比例しないということです。
たとえば、慶応大学と明治大学を比べた場合、偏差値は慶応大学の方が高いですが、年収は明治大学の方が高いのです。
私が入職先として選んだのも偏差値が一番高い大学ではありませんでした。
大学の偏差値と平均年収は必ずしも比例しません。
長期休暇と土曜勤務
大学によって、勤務体系はかなり異なります。具体的には勤務時間帯と、土曜出勤&長期休暇の扱いです。
特に土曜出勤&長期休暇の扱いは、生活スタイルに大きく影響するため、かなり迷いました。
おおまかに以下の2パターンの大学があります。これは人それぞれの好みによるため、正解はありませんが、慎重に考えましょう。
ちなみに、私が勤務する大学は①パターンですが、夏季休暇が平日だけで1カ月分ほどあり、最高です。詳しい仕組みや感想は、別記事で解説する予定ですのでご期待ください!
- 土曜勤務(隔週・午前のみが多い)はあるが、夏季休暇が長い。
- 土曜勤務はないが、夏季休暇は1週間(一般企業と同じ)くらい。
忙しさ
働きやすい環境を求めての転職であったため、この点も重視しました。
ただ、ブランド価値があり給与が高い大学は、たいてい経営や改革に力を入れていますから、業務量や業務難易度は高くなりがちなため、バランスを鑑みて選びました。
実際どのくらい忙しいのかは、生の声を聞くしか知りようがありません。そのため、口コミサイトにいくつか登録して調べました。
自分が入職した大学の口コミを、後から見てみると、盛られている口コミもありましたが、投稿日が新しいものはそこそこ当たっているものが多い印象です。給与のことも知れるので、おすすめです。
医学部や附属病院がある大学は、カリキュラムや管理業務の幅がかなり広がるので、忙しい傾向にあります。
よくあるQ&A
- 何にどのくらい時間とエネルギーを使ったの?
- ざっくりと以下のような割合だと思います。自己PRは前半で固められたので、あとは各大学を調べたり、それに合わせて志望動機をチューニングすることに多く時間を使えました。
・自己PR+志望動機作成:4割
・面接対策(練習):3割
・業界研究+各大学調査:2割
・筆記試験対策:1割
- 期間はどのくらいかかったの?
- 大まかに以下のようなスケジュールでした。各大学とも年1回募集を出すかどうかなので、狙っている大学の募集時期が遠いと、長期化しがちで焦燥感がありました。
・1月頃スタートに求人調べや準備をスタート
・最初の内定をもらったのが夏前
・2,3校目の内定が10月頃
・入職先決定が11月頃
まとめ
今回は私の転職時の事を、ありのままに書きました。
重視することや、地域等の環境、転職活動は人それぞれですが、少しでも参考にしていただけると嬉しいです。
自分の転職活動で得たノウハウや反省は、ブログ内で詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。
皆さまの健闘をお祈りしております!